2016 クマを語る集いin猪苗代




ごきげんよう。クマ研2年目ENDもといROUGAIです。何だそれ。


さて、1119日~20日に福島県猪苗代町で開催された「クマを語る集い」に2年目テニプリと参加してきたのでそのことについてご報告したいと思います。



このときついでに観光もしました。鶴ヶ城の紅葉、きれいでした。





「クマを語る集い」というのは、岩手県ツキノワグマ研究会という組織(北海道でいうヒグマの会みたいな感じです)が毎年東北地方を中心に開催しているイベントです。


参加者は学生、研究者はもちろんのことマタギ(猟師さんのことです)、NPO法人の方、行政の職員、個人で農園を経営されている方…様々な分野でクマと関わりのある方々がいらっしゃいました。



日程は、以下の通り。

1日目:講演会、懇親会
2日目:エクスカーション

うーん、このヒグマフォーラム感。

(参考:http://hokudaikumaken.blogspot.jp/2016/11/2016_12.html#more)それはさておき。






1日目は講演会ということで、研究者や学生など様々な立場でクマと関わっている方々のお話が聞けました。




クマとの関わりは違えどやはり感じていることは共通するものがあるようで、人の影響によるクマと人との関係性の変化、軋轢の増加を、どの演者の方もおっしゃっていました。



人里近くまでクマが出没するようになったり、車とクマの衝突事故が増えてきたりと、東北でも人に無関心ないわゆる「新世代ベアーズ」が台頭しているそうで、東北と北海道、場所は違えど抱える問題は共通するものがあるなぁという印象を受けました。



しかし福島の一部自治体(猪苗代町や西会津町など)では、そうした問題に対し地域住民が主体となって対策を行う体制が出来上がっており、北海道よりずっと進んでいることにとても驚きました。



例えば集落内を地域住民で点検し、話し合って問題意識(○○はクマが出やすい環境にある、など)を共有したり、クマが出没しやすい場所の整備(電気柵の設置や草刈り)をしたり、実際にクマが出没したら地域住民で花火による追い払いをしたり…地域住民が主に活動し、対策にかかる費用や活動指導は行政が行うという役割分担がきちんとなされているそうです。



北海道では農業の規模が大きいこともあって、クマの農作物被害による損害より対策にかかるコストの方が大きくなってしまい、どうしても被害への対策がおざなりになってしまう傾向にあるため、そうした取り組みは新鮮に感じました。(もちろんこれは農家の方ばかりに非がある訳ではなく、行政や研究者も含めた北海道全体の問題であると思います。)



対策にかかる補助金を出すなど、行政が被害対策を支援する仕組みは北海道でも整いつつありますが、地域住民と行政が密になって連携が取れているかというと、まだまだ不十分であると感じす。

情報共有を頻繁に行う、一方的な説明だけではなく行政と地域住民が直接話し合い、共通の問題意識を持つなど、できることはたくさんあるのではと考えさせられました。



また、行政と農家との間に入る取り組みをしている岩大クマ研さんの活動も興味深かったです。

政がそうした問題に対して農家に干渉しすぎ、軋轢が生まれてしまうことで対策が上手く進まないというのはよく聞く話ですが、岩大クマ研さんのフィールドである猪去地区では、学生が農家さんのクマ対策を手伝うことで被害対策が進んでおり、対策を始めたころより駆除個体が大幅に減少したとのことでした。(最近では駆除個体0の年もあるそう)



北大クマ研は学生が自由に活動する傾向が強く、それはそれで強みではありますが、地域住民との関わりはほぼ皆無なので、そうした実際のクマ問題に貢献する取り組みはすごいことだと思いますし、地域の方と密な交流が持てていることは正直羨ましいです。我々と違って立派だよなぁ…(遠い目)。



この日の夜は懇親会もありましたが、北大クマ研がどのようであったかは、メンバーからお察しできればと思います。…関係者の方々には大変なご迷惑をおかけし、申し訳ありませんでした。

ちなみに岩大クマ研さんは介抱までしてくれたそうです。我々と違って立派だよなぁ…(2回目)。





2日目はエクスカーションということで、母成峠周辺を散策しました。

散策地点の近くには民家もあったのですが、爪痕やクマ棚などの痕跡が見られ、クマと人の距離の近さを感じました。

個人的に面白かったのはツキノワグマの爪痕。ヒグマの爪痕は直線状についているものなのですが、ツキノワグマの爪痕は点状についており、爪を木に引っ掛けて登ったのが想像されかわいいなぁと思いました。

直線状の爪痕も見ましたが、点状の爪痕もありました。なんだか新鮮。


枝がもしゃもしゃしているところがクマ棚です。





というわけで、2日間楽しく、充実した時間が過ごせました!

本イベントに誘ってくださったクマを語る集い主催者の方々、カンパをくださった某クマ研OBには感謝の気持ちでいっぱいです。本当にありがとうございました。

来年も是非、参加したいです。

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