2019 春天塩調査


初めまして。北大ヒグマ研究グループ2年目のゼッキと申します(今週は3回やってしまった、、、)。

これから2019年度の春期天塩調査について書いていきたいと思います。


今年のゴールデンウィークは10連休という非常に長いもので、その期間我々北大クマ研は、稚内のすぐ下にある幌延町問寒別の研究林で調査を行いました。今回のテーマはシカの個体数増加とヒグマのシカ利用に何らかの関係性があるのかということでした。

そこで今回の調査では、シカの個体数を調べるためにライトセンサスと糞塊法、そしてヒグマのシカ利用を調べるためにヒグマの糞を採取しました。

ライトセンサスとは日没後に決められたルートをライトで周囲を照らしながら車でゆっくりと走り、窓の外から見えたシカの数を調査するというものです。この調査ではシカのほかにもウサギやキツネ、タヌキやアライグマなど色々な野生動物が見られるためとても楽しかったです。

糞塊法というのは調査ルート中の林道に落ちているシカの糞10粒を一つの糞塊としてカウントし、その糞塊の数を過去のデータと比べて、年ごとの個体数変化を調べるというものです。こちらは見落とさないように注意して歩くため、非常に面倒でした。人ごとに発見能力が違うのは面白かったです。

クマ糞は拾って持ち帰り、秋ごろに見つけたものをまとめて内容物分析を行います。

このほかにも今年はカメラトラップを研究林内に設置しました。これは春に限らず通期で行うもので、ヒグマが背こすりを行った跡のある木の近くに自動撮影カメラをしかけ背こすりの様子を撮影するという調査です。これを通期で行うことで、季節による頻度の違いなどが分かるようになります。

未だに科学的にはなぜヒグマが背こすりを行うのかということはわかっていないので、すごく結果が楽しみです。ちなみにすでにヒグマが背こすりする様子が撮影されていてクマ研一同感嘆の声をあげて動画を見ていました。

このように内容盛りだくさんの天塩調査でしたが、今年は幸いなことに天気にも恵まれ、暖冬だったため、すでに雪解けも終わっていたので、沢の水量も少なく快適な調査でした。平成最後、令和初の調査を無事終えることができよかったです。

ここからは今年調査に参加してくれた1年生の感想です。

僕は4/29から5/1まで春天塩に参加しました。まさか令和最初の日を天塩研究林で迎えることができるとは思っていませんでした。踏査中、発見した痕跡の数は多からずとも、自然と一体化したかのような恍惚とした気分で沢の中を歩いていました。楽しかったです。

北海道に来てまだ一月足らずの自分がこのような機会をいただけたことへの感謝を、この場を借りて先輩方に申し上げます。ありがとうございました。

木に登って地図読み

自動撮影カメラで撮れた背こすりの様子

きれいな沢






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