ヒグマフォーラムに参加して
こんにちは。クマ研2年目のFRGです。
札幌より暑い地域から来たはずなのですが寝苦しい夜が続いております。
さぞカエルもヒグマも大変な日々を送っていることでしょう。
先週の土曜日にヒグマフォーラムがあり、それに参加してきました。
毎回国内の研究者の方や、役場の方などが講演をされるのですが、
今回はそのあとに国際学会があるということで、
何と北米の研究者の方に講演して頂きました!!
しかも通訳付きです!直接理解ができなかったことが悔やまれます…
とにかく海外の研究者の話を聞くことができる貴重な場でした。
今回、イエロースト―ン地域でヒグマやヒグマと人との軋轢について研究されているフランク・ヴァンメイネン氏、
アラスカでヒグマを含めオオカミなどの野生動物の保護管理について研究されているグラント・ヒルダーブラント氏の2人の講演を聞きました。
お二人はそれぞれの場所でどのようなことが行われてきたのか(政策など)、
また現在どのようなことをしているのか(研究内容など)、
そして北米のヒグマの生態について話してくださいました。
ざっくりと流れを説明しますと、
北米では北海道同様、様々な要因からヒグマの個体数が減少したため
ヒグマを保護する対象として見るようになり(保護政策をとり)、
現在個体数が回復しつつあるとともに生息地の拡大などから人とヒグマの軋轢が問題となっています。
対策の方法など多くの点は北海道と似ていると感じましたが、
専門家の数の多さや農家への被害による補償など資金面で比較的充実している点など、
やはり北米のほうが進んでいるなと感じました。
講演を聞いて、「市民の支持」を多く得ているかどうかが違うのではないかなと
個人的に感じました。
多くの市民の方が関心や理解があるから大学でも専門分野として成り立つし、
資金も得られるのではないかなと思います。
ではそれはなぜなのか。
それは子供のころの教育だったり広く言えば記憶ではないでしょうか。
北米ではヒグマなどについての教育が行われていますし、
またフォーラムの後グラントさんと話す機会があったのですが、
子供のころ親が狩猟する場面を見ていたり、
ヒグマの肉を食べたこともあるとおっしゃっていました。
子供のころから狩猟であったり、ヒグマを含む野生動物が身近な存在であったからこそ、
そういう分野に関心や理解があるのだと私は思います。
私も含め、良くも悪くも自然とのつながりが薄れた生活を送ってきた人は、
ヒグマを含む野生動物が身近な存在であると感じることは難しいのではないでしょうか。
じゃあ、原体験のない私はそう言った記憶がないからといって諦めねばならぬのか。
否!今からでも遅くない!なければ経験するのみである!と現場に行って、実際に体験する重要性を再認識させられるイベントでもありました。
そんなわけで、大学に入るまでヒグマのヒの字も知らなかった私は失われた記憶を取り戻すべく(=実際に経験を積んで)、ヒグマをより身近に感じるべく、この夏も調査に行くわけです。
いよいよ今年の夏の天塩調査、大雪調査が始まります。乞うご期待下さい。
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