2023 秋天塩調査

はじめまして、クマ研1年目の釣り堀です。 

 先日の夏天塩についての記事に引き続いて、今回は秋天塩調査について書いていきたいと思います。

 秋天塩調査は、9月の上旬から11月の上旬の週末に行った調査で、全5回行いました。今回の主なテーマはヒグマの利用するエサ資源に関してで、ドングリなどの木の実をカウントする調査を行いました。夏天塩調査とは異なり、泥まみれの沢や生い茂った笹の中を頑張って進んでいくというよりもむしろ、林道をひたすら歩くことの多い調査です。
僕は2回参加しているのですが、そのいずれも秋晴れで非常に気持ちのいい踏査でした。ルートや場所によっては景色もよく、早朝に開始する踏査の疲れを忘れさせてくれるような、そんな風に感じられる地点もあります。
また、秋天塩調査はサケが遡上してくる季節に行われます。繁殖のために暴れながら泳いでいるサケがいる一方で、川の中や周辺では多くのサケが力尽きており、野生の世界の厳しさを物語っています。僕は小さいころから魚に馴染みがあったため、初めて間近にサケの遡上を見ることができたことは、今回の調査を通して一番興奮した出来事だったかもしれません。
また、“ヒグマといえばサケ” というイメージをお持ちの方も多いでしょう。今回の踏査ではヒグマがサケを食べたとみられる、まさにイメージ通りの糞も多く見つかっています。普段見つかる糞の多くは植物(草、トウモロコシ、ドングリ等)を含んでいるものが多く、一年を通して限られた季節しか見られないレアな糞として、現場では一同大興奮でした。
サケの歯がみられるクマ糞

そのほかにも足跡など、ヒグマの痕跡が多く見られました。以下は、今回の踏査で見られた中でも、特にきれいなクマの足跡です。
 秋天塩調査では、地べたでドングリを数えたり、双眼鏡を使って木の実を見つけたり、クマの糞を木の棒でつついたり(これはどの調査でもやっていますが…)しましたが、なんだか童心に帰ったようで純粋に楽しかったです。クマ以外にもその周辺の自然の良さを再認識させてくれるいい機会でした。

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