遅くなってしまい申し訳ありません。クマ研1年目の0srです。私にとっては2回目の天塩であり、初めての天塩での沢踏査でした。まぶしい青空の下で日本海沿いを車で走っているとき、海の向こうに利尻富士がうっすらと見え道北に来たのだなと感じました。
次の日から踏査が始まったのですが、その前に夏天塩でどのようなことを調査するのかごく簡単に表面的なことだけでも説明しようと思います。夏天塩の調査では決められた沢ルートを歩き、ヒグマの痕跡を探します。ヒグマの痕跡は足跡や糞、食痕、木につけられた爪痕や背こすり(ヒグマが木に背中をこすりつける行動)の跡などです。これらの調査は毎年おこなってきたものですが、今年はそれらに加えてある地点でのササの強さや密度の調査も行いました。この調査は沢を歩いてる途中に指定の地点で立ち止まり決められた面積のササの本数を数えたり、太さを測ったりしました。
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| 初日に歩いた沢 |
初日に歩く沢は先輩が天塩の中でもトップレベルに美しく歩き易い沢だと聞いていましたが、実際に歩いてみると若干赤く濁っていました。今まで自分が歩いたことのある北海道の清流とは様子が少し違っていましたが、歩きやすさは確かによかったです。同じ北海道でも沢には地質などによっておおきな違いがあることに驚きました。天気は良く、ミヤマカラスアゲハやオオルリボシヤンマなどの美しい生き物がみられ、カワガラスと追いかけっこをしながら歩く沢は自然の尊さを十分に感じさせてくれました。
上ってきた沢を引き返している時のことです。少し疲れを感じ始め、口数も減って来た頃、前方を見ると木からオジロワシが飛び立ち、私たちを一瞥し飛び去って行きました。私たちが苦労して歩く沢の上を気高くいとも簡単に飛んでいくその大きな姿は、羽や尾がボロボロでも、厳しい自然の中で生き抜く者の強さを見せつけられかっこよかったです。
次の日からは初日の優雅な沢歩きなどは見る影もなくなり、なかなかにハードな沢を歩くことが多くなりました。ほとんど歩くのは不可能に思える壁のようなササ藪に突っ込んでいく先輩の背中を渋々追い、沢に入って行きました。装備はなるべく汚しすぎないようにと考えながら歩いていましたが、すぐに無駄な考えだと気づきました。沢は細く、泥でぬかるみ、倒木に足を取られないように足下に気をつけて歩かなければなりません。しかし、足下ばかり気にしていると、背丈を超え、太すぎるササたちが私の進路を阻み、時には顔にビンタを食らわせてきます。上手く歩けないことにもどかしさといらだちを覚えながら、永遠に続くと思われるような沢を歩いているときは、必死だったのかあまり記憶がありません。それでも、苦労して歩いた先でヒグマの痕跡を見つけると、自分がクマと同じところを歩いていることに不思議な感じがしました。
次の日からは初日の優雅な沢歩きなどは見る影もなくなり、なかなかにハードな沢を歩くことが多くなりました。ほとんど歩くのは不可能に思える壁のようなササ藪に突っ込んでいく先輩の背中を渋々追い、沢に入って行きました。装備はなるべく汚しすぎないようにと考えながら歩いていましたが、すぐに無駄な考えだと気づきました。沢は細く、泥でぬかるみ、倒木に足を取られないように足下に気をつけて歩かなければなりません。しかし、足下ばかり気にしていると、背丈を超え、太すぎるササたちが私の進路を阻み、時には顔にビンタを食らわせてきます。上手く歩けないことにもどかしさといらだちを覚えながら、永遠に続くと思われるような沢を歩いているときは、必死だったのかあまり記憶がありません。それでも、苦労して歩いた先でヒグマの痕跡を見つけると、自分がクマと同じところを歩いていることに不思議な感じがしました。
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| アスファルトに残るヒグマの足跡 |
こんな感じで歩いたり、時には大雨で停滞したりしながら私の天塩での10日間は終わりました。きついことは多かったですが、一緒に踏査をした仲間たちと札幌の街を汚いザックを背負いながら家に帰っているとき札幌の道の歩きやすさを感じて、自分は成長したのだなと感じました。
次の更新もお楽しみに


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