2025 秋天塩

 こんにちは。北大ヒグマ研究グループ一年目のヌです。

 北海道大学天塩研究林にて、96日~113日の各週末に秋天塩調査が行われました。秋天塩調査は林道のみの調査で、毎年ヒグマの痕跡データの集積やナナカマドなどの実の量の集計を行っています。また今年は糞虫の種類や、糞虫と気候がヒグマの糞の分解に与える影響を調査しました。今回は私が踏査に参加した5611週目について紹介します。

天塩研究林からのながめ

 5週目は10月初めの踏査でした。夏の踏査に参加していなかったせいか、体力の衰えを感じながら林道を登っていきました。ピットホールトラップ(糞虫を捕まえるための罠)を設置したりやナナカマド・サルナシ・ミズナラ・ヤマブドウの実を数えたりしました。踏査後は遡上中のサケを見ました。大勢のサケが縄張り争いをする様は圧巻でした。川の近くにはタヌキやアライグマなどの足跡が見られました。サケに引き寄せられてきたのでしょうか。

タヌキやキツネ、アライグマ、シカ、クマ研人の足跡
 6週目は5週目に比べてだいぶ気温が下がり、早起きが非常にしんどかったです(もっとも早起きはどんなに暖かくてもつらいものですが)。ただ、牧草地一面に霜がおりている様はきれいで感動しました。山は紅葉も進み秋らしくなってきていて、日が完全に昇ってからは気持ちよく踏査することができました。利尻富士も拝むことができました。私は静岡県出身なので富士山に対してかなり思い入れが強く、天塩調査では利尻富士を見るのをいつも楽しみにしています。秋めく山や町の向こうにそびえる利尻富士は富士山さながらの厳かさがありました。

 踏査中はなんとシマエナガを発見し、大はしゃぎしました。写真はブレブレでしたが、とても可愛かったです。また、先週と同じところでサケを見ましたが、先週に比べだいぶ数が減りこころなしか弱っていました。

シマエナガと思われる鳥

 11週目は56週目とは打って変わって悪天候で、雨の中踏査する隊や踏査を中止せざるをえない隊がありました。踏査後はみんなびしょ濡れで帰ってきましたが、風邪をひかず良かったです。最終日にはなんとか止み、無事踏査をすることができました。山の上のほうには雪が残っており、長靴で踏みしめながら歩きました。あまり雪を見たことはなかったのでこちらも大はしゃぎでした。

また、前から見たいと思っていたサケ糞を見ることができました。3週通じてサケに縁のある調査だったと思います。

晩秋の天塩

 久しぶりの天塩は様々な生物の息遣いにあふれ、非常に魅力的でした。早くも来年の春天塩に戻ってくることを楽しみにしています。次の投稿もお楽しみに。

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