2025 春天塩調査

 こんにちは、クマ研1年目の玉塚と申します。今回は北海道大学天塩研究林で4月27日から56日までの10日間行われた春天塩調査について紹介します。春天塩調査は地図とコンパスを頼りにあらかじめ決めたルートを歩き、ヒグマの痕跡を探します。今年はヒグマとエゾシカの関係の変化をテーマに、ヒグマの痕跡と共にエゾシカの痕跡の調査も行いました。私は今回が初めての天塩調査で、3日間調査に参加しました。

踏査の様子

1日目は馴らしとして比較的歩きやすいルートの調査でした。新歓で歩いた林道のようなルートを想像していたため、背丈ほどの高さのササ藪や腰まで浸かるような沢に心が折れそうになりましたが、歩いているうちに天塩の楽しさを感じられるようになりました。頼もしい先輩の動きを見て、少しずつ沢を歩くのがうまくなっていく感覚がうれしかったです。ヒグマの足跡と大量の鹿の毛が散乱しているのを発見したときはさすがにゾッとしました。


2日目に行ったルートは古い炭坑跡地を通るルートで、茶碗の破片や瓶、レンガの柱などの痕跡を発見しました。鬱蒼とした草木のなかに突然人の営為の痕跡が現れたときはとても興奮しました。またヒグマやシカの痕跡以外にもアライグマの足跡や山椒魚の卵など多くの生き物の痕跡を見つけ、存分に生命の息吹を堪能することができました。

 

3日目のルートではヒグマの背こすり跡をたくさん見つけることができてうれしかったです。ルートの最後には綺麗な平原が広がっていて、天塩調査の締めくくりに相応しいすばらしい景色でした。

天塩の景色

初めてのことだらけで疲労困憊の3日間でしたが、天塩の魅力と非日常感を味わうことができ大満足でした。夏はササがさらに強くなりマダニも発生するそうなので、僕も夏天塩調査までにパワーアップしたいと思います。あと、次こそは鹿角を拾いたいです。

コメント